刺繍通信がすばらしい件
雄鶏社から出ていた「刺繍通信」という雑誌をご存知ですか?
雄鶏社は残念ながら2009年に倒産してしまった手芸系の出版社です。今wikiで見たら、なんと向田邦子さんも在籍されていたとか!
株式会社雄鷄社(おんどりしゃ)は、かつて東京都新宿区築地町に本社を置いた、手芸関係の実用図書の出版を中心とした出版社。1945年(昭和20年)10月、武内俊三が創業。主として手芸、編み物、料理、刺繍などの婦人向けの実用図書を刊行。作家の向田邦子が在籍していたことでも知られる。年間売上高は、1985年(昭和60年)1月期には約40億円に達したが、2007年(平成19年)1月期には約23億円に落ち込んだ。
2009年(平成21年)4月17日に東京地裁に自己破産を申請し、64年間の歴史に幕を閉じた。負債総額は12億8千万円[1]。出版不況で売上が低迷したこと、借入金の金利負担が重かったこと、世界金融危機により借入が困難であったこと、暖冬のために売上見込みが外れたことが原因と報じられている[2]。
Wikipediaより
私は良さげな刺繍通信があるとちょこちょこと買っています。
こんな感じで白糸刺繍の特集号もあります。

連載や読み物系もステッチイデーより濃くて、倒産して廃刊になってしまったことが残念でなりません…

最近の図案について感じること
本屋さんで刺繍本を見ても、どの本もボタニカルとか北欧系とか、とにかく既視感がありまくりで全然おもしろくないです。
人気の作家の方でも、使うステッチはチェーンばっかり。いろんなステッチを習って、その図案に適したステッチを使う本来の「刺繍」とは違ってきているなって思います。刺繍ならではの図案とステッチを使って作品を作っている本って、ここ数年ない気がするのは私だけでしょうか?
刺繍通信を見ていると、アートだなって思う作品が多いのです。多少、図案が古臭く感じても、図案を起こすにも使用するステッチや色を決めるにも、多大な労力がかかったことがわかるので胸が熱くなります。
下の写真の作品、すごくないですか?

刺繍通信に載っている先生方はもう現役でないのか、あまりお名前を拝見することがないのが残念です。(大塚先生、青木和子さん、小倉ゆき子さんはよく出ていらっしゃいます!)
刺繍通信はアマゾンのマーケットプレイスとかメルカリとか、運が良ければ古本屋さんなどで出会えます。
定価は1300円ですが、プレミアがついているものから600円程度のものまで様々ですので、購入される場合はいろんなところでお値段を見てからの方が良いかもです!
まとめと言う名の私の意見
僭越ながら、、、簡易的な刺繍ではなく、もうちょっとアートに寄せた本なども出るといいなと思っています。そして同じ系統の図案ばかりでなく、もう少し幅広い感じだといいなと。もうボタニカル、花アレンジ、北欧っぽいのは飽きました〜
簡単な本のほうが売れるのかもしれないけれど、刺繍初級者の人でも頑張って刺したいと思えるような素敵な図案の本を出版社がリードして作っていってほしい!(簡単に言うなって感じですね)
白糸が大好きな私としては、フランス刺繍でそこそこ上達しないと白糸に人が流れてこないし、白糸がもっとポピュラーになってほしいので、刺繍愛好者の技術の底上げをしてほしいなって心から思います。。
デザインのデザインの本にもあったように、私たちはメディアや物を作って売っている企業から教育されているわけなのでね。本もすぐ読める新書系ばかり出るし、もうちょっとみんなしっかり考えて、行動していかないとダメだなって思います。私は日本のテレビは一切見ませんが、どうでもいい芸能ネタとかくだらないバラエティとかはもうやめてほしいです。フランスの番組で大食い選手権とか芸能人の不倫とかをひたすらやる情報番組とか見たことないですし…
最近は白糸ばっかりやっていますが、気分転換で色ものを刺すときがあります。イタリアのElisabetta Sforzaさんという方の図案が好きでたまに刺すのですが、たくさんのステッチを使うんです。海外の作家さんの作品はいろんなステッチを使うし、図案が個性的なので好き嫌いは別にしても見ていて楽しいです。洋書の品揃えが豊富な洋雑誌のマガジンマートさんでElisabetta Sforzaさんやその他の洋書を購入したり、etsyを巡回して個性的な図案を買っています。
というわけで、刺繍通信のご紹介でした。
図書館に足繁く通っているのですが、昔の手芸本は図書館で無料で借りれるし、昔の刺繍本で良さそうなものを探してみようと思います!
みなさま、良い週末を〜!
コメントを残す