toggle
2021-02-19

白糸刺繍(ホワイトワーク)とは?

ホワイトワークともよばれる白糸刺繍。

白い布に白い糸で刺すヨーロッパの伝統刺繍の総称です。私がはじめて白糸刺繍を知ったのはデンマークの手芸学校に留学したときでしたが「白1色なのに、なんて美しい刺繍なのだろう!!」と心をわしづかみにされました。

白糸刺繍にはハーダンガー、シュバルム、ヘデボー、ドロンワークなどなど、いろんなステッチ/技法があります。ヨーロッパ各地で発展していったので、どれもなんとなく似ているのですが、それぞれの刺繍にそれぞれのストーリーがあるし、全く違うものなのです。

白糸刺繍の歴史をざざっと。

白糸刺繍は、イタリア ルネッサンス以前は教会装飾、教会の服飾品が中心となっていました。おもに、教会の祭壇幕や聖器を覆ったり、四旬節のヴェール(四旬節の間、会衆から祭壇を隠すための布)として使われていました。

白糸刺繍の一番古いものは、12世紀頃に発明されたドロンワークだそうです。(Embroideried with whiteworkより)13世紀になるとチェーンステッチやコーチングステッチ、ステムステッチ(アウトラインステッチ)も見られるそうです。糸も高価だったはずなので、サテンステッチなど糸をたくさん使うステッチは敬遠されていたと想像します。

ルネッサンスを機に、刺繍は一般人に開放されるようになります。ルネッサンスはイタリアからヨーロッパ各地に広がり、フランス、スペイン、ドイツなどでそれぞれ特色のある文化を生みました。ルネッサンスの時代の白糸刺繍はボタンホールステッチやその補助でヘリボーンステッチがよく使われていました。中世のヨーロッパでは、刺繍が上手な女子はとても重宝されてお針子の仕事に就けたそうですよ!

一番古いステッチはランニングステッチ、いわゆるなみ縫いです。ダブルランニングステッチは、古いイスラム刺繍によく見られるステッチだそう。イタリアのカトリーヌ・ド・メディシスの刺繍(Punto madama)はランニングステッチでひたすら刺していきますので、原始的なステッチと言えます。

カトリーヌ・ド・メディシスはイタリアからフランスにお嫁に行き、イタリアから芸術、お料理、テーブルマナーなどなど(カトリーヌがお嫁に来る前は、フランスではフォークとナイフを使ってなかったそうです…)をフランスに持ち込みました。このように婚姻などでいろんな文化や習慣が混ざり、技術も各地へ伝えられていったと思うと、ヨーロッパの歴史がすごく面白く感じます。

17~18世紀に刺繍は全盛期を迎えます。17世紀に刺繍のサンプラーや、パターン集などの印刷物が出回りはじめます。識字率が低かったヨーロッパでは、サンプラーは大活躍でした。同時に経済的であつかいやすい天然の染料がアメリカからはいり、赤く染めることができるようになります。DMCの刺繍糸の一番最初の色も赤ですし、昔のサンプラーを見ると赤色がよく使われていますよね!

この頃ようやく字を書ける女性が出てきて、数字やアルファベットのサンプラーが登場します。18世紀になると、図案はどんどん洗練されて、装飾的になり、お花や果物などもモチーフとして使われるようになります。19世紀になると産業革命が進み、刺繍は衰退してしまいます。

と、産業革命が刺繍衰退の原因と思われがちですが、刺繍が衰退した理由の1つに、フランスが共和国になったこともあると思い調べてみたら、第一次世界大戦後にウイーンの宮廷がなくなったことが、伝統手芸の衰退にインパクトがあったとのことでした!もちろん、フランス革命でフランスが共和国になり、その後ナポレオン3世の帝政が終わったことも一因でした。

刺繍の発展についてはイギリス人が大活躍なので、イギリスと刺繍の関係については別記事にしようと思います。

noteでも白糸刺繍の歴史を書いてますので、読んでみてください。

初心者の方におすすめのステッチ

とにかく白糸刺繍を刺してみたいという方にはドロンワークでピンクッションやコースターなど小さくて簡単なものからトライされるのをお勧めします。

フォーサイドステッチやヘムステッチなど、シンプルで簡単なステッチをやってみるのがよいと思います。

フォーサイドステッチも、横糸を抜いてステッチをかけてみると、レーシーさが増してかわいいです。

ドロンワークやフォーサイドステッチなどをするときは、目数のそろったカウントステッチ用の布を使ってくださいね。カウントステッチ用の布は、1cmの中に織り糸が決まった数だけ入っています。ドロンワークとクロスステッチをあわせてもすてきです。

白糸刺繍に必要なお道具

白糸刺繍特有のお道具といえば、リッパーでしょうか。

リッパーは織り糸を切るときに使います。先がとがったハサミでもいいのですが、リッパーのほうが失敗がないです。ハサミだとまちがえて2本切っちゃった!!ってことも、残念ながらあります…

あとハサミもできるだけ先がとがったものの方が使いやすいです。私はリッパーはクローバー、ハサミは色々使ってますがDMCのが使いやすいかなと思います。

ハーダンガー用の先が曲がっているものなどいろんな種類があるので、手芸屋さんでハサミを見るだけでも面白かったりします。

刺繍枠はドロンワークのときは使う人もいれば使わない人もいるので、自分のやりやすい方でOKです!

私のデンマーク留学時代の先生は、ドロンワークやHedeboのときは使っていませんでした。絶対コレじゃなきゃだめ!!ってことはないので、いろいろ試しながら自分のやりやすく、きれいに刺せる方法を探っていきましょう。

刺繍用の布はノリがついていてパリッと張りがあるので、刺繍枠なしでも問題ないですが、刺繍用ではない布の場合は、刺繍枠があったほうが刺しやすいし、きれいに仕上がります。

ちなみに、私は上から下より下から上に上がっていく方が刺しやすかったりします…刺繍を習っていたときは先生から「下から上がるのはめずらしいわね」と言われましたが、下から刺したほうがきれいなんですよね。手のくせもありますよね。なので、自分がやりやすい方法で刺すことが一番きれいに仕上がる方法だと思ってます。

もう1つおすすめアイテムがあります。

白糸だけではありませんが、スタンド付きの刺繍枠はあるとかなり便利です。フレンチノットなど、両手が使えるときれいに刺せるステッチもあります。私はイギリス製のスタンド式を使っていましたが、刺繍枠の取り外しができないので、小さなものを刺すときは不便でした。

トルコ製のいろんなサイズの刺繍枠がはめれるスタンド式を買ったら、めちゃくちゃ便利だったのでオススメです。リネンバードのオンラインショップで売っていますが、私はetsyで送料込みで50ユーロくらいで購入しました!

写真の左側がどんなサイズの刺繍枠にも使えり超便利な刺繍スタンドです。

右側はイギリス製の刺繍枠。スタンドと刺繍枠は一体化しているので、大物の作品作りには向いています。

そうそう、刺繍枠にはなにかしらの布を巻くとすべり止めになって便利です。フランスで刺繍を習っていたときは、おしゃれな布ではなく、ケガしたときに使うTHE包帯でした。薄さと適度なザラザラ感がすべり止めに適しているのだと思いますが、ビジュアルが。。。

私はリバティーのかわいいバイアステープを巻いてます。普通にぐるぐる巻いて両面テープで止めているだけ。木枠だけだと、布がすべってしまうので、ぜひ布を巻いて使ってみてください。

Facebook にシェア
このエントリーをはてなブックマークに追加
Pocket

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA